連載 モンタナバンド秘密 一気読み ②
その1
その3
■ --信仰と科学の境---- ■■■
前回、大切なのは、チャート分析では、
ど れ く ら い ま ち が え る か
をその分析法自体が知っている、ということである、としました。
信じる者は、道を求めるすべてのものに取っては必要なものですが、一つの分析法が、解析を超えて、
しんこう となってはいけません。
科学と、占いは、やはり区別しなければならないのです。
さて、その意味をもって、移動平均は、そのパラメーターの数値も変えて意味のあることがあります。
他のMACDにしても、ストキャスティクスにしても、変えて意味のあることがあります。
そして、それらは、知られています。
つまり
1:変えて意味のあることが知られています。
2:それは、その分析が、完璧でないことを分析法自体も、投資家も、知っているということ
なのです。
そこに信仰との違いがあります。信仰の神は間違えないのですから。
さて、今回は、もっとも有名で奇妙は一目均衡表を取ってみましたが、これが実際に使えるかどうかは、テストするとよく分かります。
でも、だれもテストしません。
それは、こういう理由にあります。
宗教でいう、不幸中の幸い。
=入ってなかったら、もっと悲惨でしたよ。
外れが明記出来ないほど、その解釈が柔軟であり、どうにでも言えるのです。
それと同じ意味合いのものをもう一つ上げてみましょう。
■ --エリオットの秘密---- ■■■
パラメーターの変更を許さないチャートはそれ自体が間違えることを
前提としない
ことから、非常に注意しなければならないことを話しました。
同じような意味で、今回はもっと厄介なエリオット波動を見てみましょう。
これは、6/27時点のNYダウの日足です。(古いチャートですが。)
NYダウ 日足 エリオット波動

エリオット波動は上げ5波動で終了するとされるため、このチャートでは、5という数値がその上げ波動の終了を意味します。
同時に、下げは、3波とされていて、このチャートのABCがそれに当たります。
でこの場合は、15500ドルで上げ波動完成です。
しかし。
さらに進んで7/23の時点となると

となります。
なんと、前チャートの5波は、3波ということになりました。
つまり、これが繰り返されるということです。
もっとも重要なカウント自体を、過去に戻って訂正してしまう。
これは、リアル最適化、リアルカーブフィティングをしているようなもので、意味がありません。
つまり、現時点で、いつでも、過去での計算方法を変えてしまって、いつでも、合っている、ということになります。
それで、信仰、になってしまうのです。
一目も、正しいことが前提で、エリオットも正しいことが前提なので、間違えません。
そんな解釈ってないでしょう、と思いますが、それはそう繰り返されています。
それで、解析結果のでないものとなるのです。
それを、占いと言います。
変化するパラメーターがないことも、同じです。
さて、これらの、過去を解説するためのチャートと、移動平均線は、違います。、
移動平均線は、知っています。
それは、間違えることと、パラメーターの変更でどうにでもなってしまう、ということを。
それは、ある意味、どうにでも解釈できる、ということに他ならないでしょうか?
移動平均とて、カーブフィティングで最適化できるのなら、意味がないことになるのでしょうか?
いつでも、合っている、ということになるのですから
しかし、それゆえに、カーブフィッティングが出来るが故に、もっとも分かることがあります。
それが、大事なのです。
■ --当たらないから、分かること!---- ■■■
ここまでで、大切なのは、決める、ことではなく、
当たらない、確率を、計算できる、ということであることを話しました。
一目均衡表も、エリオット波動も、ともにおかしい のは、
それがあと講釈のためにある分析だからです。
過去を説明するための、分析チャートは、まったく意味がありません。
しかし、そういう意味で、パラメーターを変えられるものは、意味があります。
なにが?
計算して、過去、どれくらい外れてきたのか、ということです。
26週線がいいのか、14週線がいいのか、それとも、75日線なのかは、
シミレーションで分かってきます。
それは、相場が、全く自然でなく操作されているか、自然であるかを計る上で役立ちます。
さて、そういう意味を込めて、MACDも良わけです。
移動平均線を原点として、それをよりよく表現したものですが、これもパラメーターが重要となります。
たとえば、
日経平均チャートチャート 週足

MACDでは、9/3に反転開始となっていますが、移動平均では、9/11と一週間遅れます。
ちなみに、モンタナバンドでは、この一つ前に、上昇波動に飛び込んだことが計れます。
さて、移動平均線の一つの問題は、過熱感を明確に計れない、ということです。
それを解決しようとしたのが、ストキャスティクス、です。
■ --新しい物差し、確率---- ■■■
カーブフィッティングが出来るが故に、もっとも分かることがあります。
それが、大事なのです。
それは、いかにいまの相場が今までと違ってきたか、という事を知る、ということです。
一見意味のないように見えるこの カーブフィッティング=最適化は、
いかに相場が移動平均などの、指標とずれているかが、分かります。
それは、一つのチャート分析の限界を示すのに、非常に意味を持ちます。
それは、また、一つのチャート分析が、万能でないことをいうことによって、チャート分析というものの、質を上げているように思います。
自分を知る、それは、何より大切なことでもあるからです。
人間はひとくきの葦にすぎない。
自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。
彼をおしつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。
蒸気や一適の水でも彼を殺すのに十分である。
だが、たとい宇宙が彼をおしつぶしても、
人間は彼を殺すよりも尊いだろう。
なぜなら、彼は自分が死ぬことと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。
宇宙は何も知らない。
パスカル パンセ
こんな言葉を借りなくとも、絶対でないことを前提とする分析法こそ、素晴らしいのです。
さて、このような中で生まれてきたのものが、移動平均の上に、下に位置する、分布チャートです。
その形は、デザインとして、雲、のようなものであり、一目に似ていますが、こちらの方がより、数学的な意味を受け持ちます。
なぜなら、一目が使っていた、基本数値、転換線、などではなく、標準偏差 というものを持ち出してきたからです。
この言葉で、チャート分析は、今少し数学的になりました。
少し、占いの部分から抜け出すようになったのです。
そこには、絶対の黒魔術はなく、
ただ、当たる 確率 が示されているだけです。
それをボリンジャーバンドといいます。
ドル円 日足 ボリンジャーバンド
98.56円以下は、ボリンジャーのシグマ-2を割り込んでいることになります。
それは
非常に確率的に希な位置にある、ということを言っているのです。
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