黄金比につながる神秘の数列
フィボナッチ数とは、
1, 1, 2, 3, 5,8, 13, 21, 34, 55, 89,144, 233,・・・
となる数列の各項に表れる数字のことです。これは、直前2つの数字を足したものが次の数字になるよう並べていく数列で、イタリアの数学者の名にちなんで、フィボナッチ数列といいます。また、2つの連続する項の比が徐々に黄金比“1:1.618”に近づいていく、実に神秘的な数列です。
黄金比・黄金分割といえば古代ギリシャやエジプトの時代から建築や美術に取り入れられており、そもそも自然の中に多数存在する美の比率とされ、人間の体さえも、踵からヘソまで、ヘソから頭頂部までの比率が黄金分割であれば美しいといいます。現代で手近なものといえば、名刺に使われる長方形はタテ×ヨコが黄金比になっています。また、正五角形や、ペンタグラム(五芒星=☆型)にも、黄金比・黄金分割の要素が多分に含まれています。これらを偶然を断するにはあまりに事例が多すぎます。すべての自然界に働く、パワーバランスのようなものを感じる方も多いのではないでしょうか。
さて、そのフィボナッチ数を利用することで、同じく自然界の延長といえる人間の活動、経済の活動、相場の動き、さえも、法則を見出すことができると考えて作られたのが、フィボナッチリトレースメントです。フィボナッチ数は、隣あう数字の比率は、最初は0.5:1(つまり1:2)ですがそれらは数が大きくなるほど徐々に0.618:1に近づきます。同様に、
2つ隣の数字との比率は、0.382:1
3つ隣の数字との比率は、0.236:1
となります。これらの数字を上(100)から下(0)から数えて、ラインを引きます。
次のチャートには、ドル円相場の高値を100、底値を0として、相場のリバウンドがどのレベル(%)まで到達しては再び下落していったのかがわかるように、ピンク色の数字とラインでフィボナッチ数が記されています。124.14円を高値に、95.77円を底値にしてラインをひくと、そこからの戻り相場はおよそ半分、50のところまでとなっています。日本でも親しまれている反値戻しと呼ぶ現象と同じです。
その後、相場はまた下落し、直近の最安値を更新しました。グリーンのゾーンが上のチャートの範囲を示しています。今度は87.19円を0として、フィボナッチ数をあてはめています。次のリバウンドは38.2のポイントまでで終わっています。多少の前後はあるものの、これらの数値を目標株価として、どこまでリバウンドするか、どこまで値が伸びるか、下がるかを予想する際に、フィボナッチ数が利用されているのです。
これらフィボナッチ数のうち、
1, 1, 2, 3, 5,8, 13, 21, 34, 55, 89,144, 233,・・・
赤字部分は、テクニカル分析においても重要な数値とされ、欧米ではこれらの数値をパラメータに利用するトレーダーも多いようです。